紅葉の谷川岳

HOME

 以前、谷川岳の紅葉の写真を雑誌で見たことがある。 見事であった。 そんなところに行ってみたいと思いつつ何年も過ぎた。 今年は紅葉の見頃に3連休があり、ちょっと足を延ばしての山行であった。

2001年10月7日 天神平-山頂-マチガ沢

 水上温泉発の一番バスは、東京方面から来た客ですし詰め状態で、今日の山の混雑ぶりを予感させるものであった。 いつもながら、元気な会話はおばさん連のものである。

 谷川岳ロープウェイの乗り場での混雑ぶりは大変なもので、200人ぐらいの人の列が順番待ちである。 しかし、案外スムースに進み、それ程待つ間もなく乗り込むことが出来た。 ロープウェイから眺める山は、まだほとんど紅葉しておらず、訪れる時期の早かったことを後悔させるものがあったが、天神平の駅に着く手前位になるとかなりの色づきになり、乗客からも思わず歓声が上がる。

 9時30分、天神平からいよいよ登りに掛かるが、残念ながら真っ白な霧の中、全く眺望がきかない。 見えるのは、列を作って登る登山者の後ろ姿のみ。 東京近郊のハイキングコース並の混雑である。 従ってペースもゆっくり取れるし、しょっちゅう立ち待ち状態があるので、息切れもしないし疲労も感じないで済む。 それにしても、逆に下る人は大変で、登る人を優先しているといつまで経っても下れない。 それを見ていると、この道は下るべからずと言うことを教えてくれる。

 登山道は危険な個所はないものの、随所に段差の大きな岩の登りがあり、両手を使ってのアルバイトを強いられるなど、結構きついものがある。 しかし、ペースがゆっくりなこともあって、全く休憩なしに肩の小屋に2時間弱で到着する。 相変わらず眺望がきかない霧の中であるが、大勢の人でにぎわっている。 ここから頂上、トマの耳、は目と鼻の先である。

 頂上もかなりのにぎわいであるが、昼食は肩の小屋周辺でとる人が多いせいか、身動きがとれないほどではない。 霧の中で記念の写真を撮ってもらうが、ちょっとさえない。 そのうち、一時霧が晴れ、黄金色の草に覆われたオキの耳が顔を出す。 きれいである。 オキの耳への尾根道も行き交う人の列でにぎわっている。

 昼食を済ませてそこそこに今度は下りに掛かる。 西黒尾根を下り、途中から厳剛新道をマチガ沢沿いに下る道を選んだ。 沢筋の紅葉を期待しての選択である。 段差の大きい岩の続く急勾配を、所々尻餅付きかげんでぐんぐん高度を下げる。 霧がだいぶ晴れてきて、頂上が顔を出し始め、鮮やかな木々の紅葉にザックをおろしてはカメラを向ける繰り返しとなる。 西黒尾根から厳剛新道への分岐点まではあっという間であった。 分岐点からの下りもまだまだ急勾配が続くが、何度目かの写真撮影の時、足場が定まらないと言うか、むしろ、足を踏ん張れない状況に気がつく。 足の筋肉、特に、ももの前側が張っていて、膝を曲げた状態で力を入れにくい状態である。 下るスピードが急速に落ちる。 夏の北アルプスであんなに調子が良かった下りは何だったのだろうか。 準備不足? いや、急勾配を過信して一気に下ったつけが回ってきたのだろう。 だましだまし何とか長い道のりを下りを続けていると、突然舗装道路に出くわす。 たくさんの車と、人。 やっとたどり着いたマチガ沢出合の駐車場付近は、紅葉見物客でごった返していた。

  

 ここから一の倉沢の下部まで歩き、紅葉の岸壁を眺める予定であったが、足が言うことをきかなくなってきたことと、あまりに大勢の普通の格好をした人たちが歩いているのを見て、その意欲をなくし、残念ながら断念することにした。 駐車場でしばし呆然とたたずんでいると、下りの最後に一緒になった単独行の男性がワンボックスカーに乗り込もうと準備をしていた。 さりげなく話しかけ、お願いすると、快く車に乗せてくれると言う。 さいたまの川口まで帰るという私と同年輩の男性である。 遠慮なく水上駅まで送っていただくことにした。 痛めた足を引きずらなくて済み大変ありがたかったことと、水上までのドライブで楽しい山談義が出来たことで、山行の有終(憂秋)の美を飾ることができた。


ウインドウズ デスクトップの壁紙(テーマ、Windows Desktop Theme) 用写真は こちらから ダウンロードできます。

このページの写真を含めて、山々の写真をアルバムにしています。 こちらをどうぞ

  山の道具のお買い物には 「山屋」 をよろしく。                       HOME