御嶽山山行記

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 御嶽山は、いろいろな山から眺めるとき、その堂々とした姿が印象的な単独峰である。 いつかは登りたい、と言うより、登らなくてはいけない、と、思わせる山である。 この度、アミューズトラベルの伊吹山、恵那山との抱き合わせツアーに参加し、念願の御嶽山行を果たしたのでご報告したい。 ツアーは北海道からの3人の女性、仙台からの2人の女性、広島からの3人の男性、福岡からの男女5人ずつ、計18名にガイドさんと添乗員さん、合わせて20人のパーティーであった。 アミューズトラベルのツアーには初参加であったが、札幌から福岡までの精鋭(?)が集い、いろいろな方言が飛び交う楽しい登山であった。

 10月13日朝広島を立ち、大阪で各地からのメンバーと合流し、バスで、伊吹山へ。 9合目から頂上へ。 咲く花もほとんど無く、快晴ながら、カスミで遠望がきかずということで、まあ、登っただけと言うことであった。
 10月14日、広河原コースで恵那山に登頂。 朝雨模様ながら、登っているうちに晴れてきてまあまあのコンディションとなった。樹林帯の中をただ単調に登るだけの登山であったが、所々の紅葉がきれいで、特に山頂およびその周辺のドウダンツツジの紅葉が真っ盛りで、われわれの眼を楽しませてくれた。

  

2006年10月15日 王滝道登山口ー王滝山頂ー御嶽山剣が峰ー王滝山頂ー王滝道登山口


雲ひとつ無い快晴。 5:50 朝焼けに染まる御岳を目指して登頂開始である。 広い車も走れるような砂利道を進み、拝所の辺りからいよいよ登りが始まる。 延々と続く材木を渡した階段を一歩一歩登る。 今度のガイドさんは、福岡の方でアミューズトラベルの最高顧問さん。 70歳で山岳ガイドさんを育てる立場の方らしい。 登り方や、登山におけるマナーを語りかけてくれて大変参考になる。 「山をいたわり、山に愛される登山」がモットーと言うことで、一歩一歩かみしめるように歩を進める。 ところが、そのゆっくりさは半端じゃない。 続く皆はどうやって間を取っていいものか、すぐ前につかえて立ち止まらずを得ない。 リズムが取れないのである。 もっと早く、と、イライラが募るばかり。 そして最後の下りが終わるまで、このいらいらは続いた。 まだまだ修行が足りません。

 天気は最高、眺望も遠くまで見渡せる。 やがて、朝日が中央アルプスの上に登ってくると、本日のパノラマ山岳劇場の始まりである。 えっ! あれが恵那山。 昨日登った山があんなに立派な山容を誇っていたなんて。 あのつまらない山が、とは言わないまでも改めて見直すこととなった。

  

 樹林帯と言っても、ここの樹木は低い木が多い。 ダケカンバが色づいている。 今年の遠征登山は、鳳凰山でのダケカンバの新緑を見て始まりまり、御嶽の紅葉を見て終わるというところだ。 やがて森林限界を超えると、岩のごろごろした道が続く。 頂上が見えていて、目標がはっきりしているだけに非常にわかりやすい。 ところが、そこに見える頂上が登れど登れど近づかないと言う感じがするのも困ったことである。 しかし、振り返って眺めれば、左から、浅間、蓼科山、八ヶ岳連邦、甲斐駒、木曽駒から空木、南駒まで続く中央アルプス、恵那山が一望に見渡せる。 そして、中央アルプスの背後から、南アルプスがのぞき始める。 見事としか言いようが無い。
 富士見石を過ぎてからさらに登ったところで、中央アルプスの山並みの背後から富士山が。 「あれほんとに富士山?」と疑いのかかるほどわずかにその頭をのぞかせている。 登るにつれ、南アルプスがせり上がって見えてくる様もエキサイティングである。
 八合目を過ぎてまもなくするとまた八号目が。 頂上がますます遠のく。 しかし、ペースが遅いおかげで息が上がることがまったく無い。 ただ登る時間の割には高度が上がらないのには参った。 しかし、振り返って周りの山々を十分眺め、写真を撮る時間があるのは助かった。

   

 歩けばいつかは届くと言った感じで、大きな立派な石段を登ると御嶽神社頂上奥社のある王滝山頂に着いた。 頂上、頂上と思って登っていたが、ここ大滝山山頂はもちろん、まだまだ途中で、登ってみるとまだ先に剣が峰がそびえ立っている。 ツアーだから、「時間の都合でここまでにします」と言われたらどうしよう。 あの上に立たなければ意味がない。 と、心配していると、添乗員さんが荷物を置いてピストンしますと言ってくれた。 札幌から来た、北海道では山岳ガイドをしているという頼りがいのありそうな若い添乗員さん。 この遅いペースに内心心配しているはずだが、それを見せず、時間と戦っているのだ。 この決断に皆大喜び。 そして、それでもゆっくり、山に愛されながら登る。

 頂上に着くと、やったー、雲一つかかっていない北アルプスがその姿を見せている。 手前に大きな乗鞍岳。 中央に槍、その右に穂高、左の笠から右の常念、蝶まで、奧に雪をかぶった立山と素晴らしい眺めである。 南アルプスがほぼその全容を中央アルプスの上に見せている。 富士山もその存在感を増している。 左にこれまた大きな山塊の白山。 言うこと無し。

 

乗鞍岳の向こうに穂高岳、槍ヶ岳

中央アルプス、その向こうに八ヶ岳、南アルプス、富士山

 頂上で一騒ぎした後、大満足で下山開始。 真っ正面に見える中央、南アルプスを、何度も、何度も眺め、また、御嶽山を何度も何度も振り返り、今日の山行がいかに我が山歴の中で大きな位置を占めることになるかをかみしめながらの下山であった。
 下山後、振り返り見た御嶽山の威容である。

 

 バスで中部国際空港へ。 そして、3日間をともにしてきた各地のメンバーに別れを告げる。 お互いの健闘をたたえ、またの機会の再会を期待しつつ手を振る。 リーダー、添乗員さんともここでお別れである。添乗員さんとは是非北海道で再会したいものだ。
 名古屋駅で広島組3人で天ざるきしめんを食べる。 うまい。 こんなにうまいきしめんを食べたのは初めてである。 乾杯のビールはほどほどに。 新幹線の中でも、興奮冷めやらぬ会話が広島駅に着くまで続いた。



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