ミヤマキリシマ咲く霧島縦走

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 ミヤマキリシマが斜面を彩る霧島や久住山をテレビや写真で見ると、たまらなく行きたくなるものである。 このたびやっとその思いを実現させることができた。 ひろでん中国新聞のツアーに参加し、えびの高原ー韓国岳ー新燃岳ー中岳ー高千穂河原を縦走し、ミヤマキリシマを堪能することができた。
 霧島といえば、まだ学生の頃、高千穂から韓国岳を縦走したことがある。 3月の春休み、単独の九州旅行の際に敢行したものであるが、偉容な姿の高千穂峰(うっすらと雪化粧していた)を感動しながら制覇したことと、疲労困憊の状態でえびの高原にたどりついたことを覚えているくらいである。
 今回は、ミヤマキリシマが咲く絶好の季節に行くことができたわけであるが、韓国岳から続く縦走路のどこからでも目に飛び込んでくる高千穂峰の偉容には、あらためて感動させられた。
 ツアーは、広島ー霧島を夜行高速バスで往復する日帰りで、21人の参加者にガイドさん、添乗員さんを加えた総勢23人のグループ登山であった。

2009年6月7日 えびの高原ー韓国岳ー新燃岳ー中岳ー高千穂河原

韓国岳登山口 午前6時前、えびの高原駐車場で宮崎在住のガイドさんが合流された。 高齢の方で、ガイドするのが楽しくてたまらないという様子に好感が持てる。 ガイドさんの案内で、まず咲き始めのオオヤマレンゲを登山口近くの山裾で見た後、いよいよ韓国岳への登りにとりつく。 登山口近くにミヤマキリシマの群落があり、早速の歓迎を受けた感があったが、これが感動の始まりであった。 思ったよりも花は紫いろをしている。

登山口から見る韓国岳は、噴火口が切れ込んでいて、二つの山のように見え、逆の南側から見るとお椀を伏せたような感じであるのと対照的である。 歩きやすい、整備された道を登リ始める。 それほど急ではないが着実に高度を上げる。 今日のガイドさんは、高齢で優しげに見えるが、ピッチは結構速い。 最後尾から付いていくが、ほとんど立待ちもなくテンポ良く進む。 登山路の両側でミヤマキリシマが咲き誇っている。 1合目、2合目と樹木の中を進むが、30分も登ると視界が開け、硫黄山や不動池が見下ろせるようになる。 やがて登り始めてから約50分、眺めの良い5合目に出る。 遠く、地熱発電所で上がる水蒸気の柱が印象的である。

 高度が上がるにつれ、右側に大浪池が顔を見せ、さらに右に回り込むと新燃岳、その向こうに高千穂の峰と、霧島の全貌が見渡せるようになる。 素晴らしい。 何といっても霧島の魅力は、数々の大きな噴火口がバランス良く配置されていることだ。 アルプスなどとは違った趣の山塊であり、中でもとんがり三角形と大きく口をあけた噴火跡で他を圧倒するような高千穂の偉容は言葉では言い表せない。

 やがて、左が切り立った崖になっている噴火口壁を登ると、韓国岳頂上である。 登山口から休憩も含めて1時間30分であった。北側に大きな噴火口、西側に大浪池、南側に新燃岳と高千穂峰。 快晴の空がまぶしい。 言うことなしの大満足である。

 韓国岳頂上からは高度差で300m以上の下りとなるが、この斜面のミヤマキリシマがこの山行で一番の見ごろを迎えていた。 下りきったところで、振り返った韓国岳の写真である。

 韓国岳(1700m)からは、獅子戸岳(1428m)、新燃岳(1421m)、中岳(1345m)と3つの峰を縦走することになり、結構アップダウンの行程を強いられ、それほど楽なコースではない。 しかし、見晴らしが良くて気持ちの良いコースにそれほど疲れを感じない。 韓国岳ー60分ー獅子戸岳ー60分ー新燃岳とピークを制するたびに、振り返れば韓国岳方面、先を見れば高千穂峰方面のユニークな霧島の景色が楽しい。

 やがて、新燃岳から30分強で韓国方面からはなだらかな丘という感じの中岳に到着(逆側はものすごい急斜面の下りになる)。 高千穂を間近に見ながらの昼食休憩である。
 縦走の最後は、やはり高千穂峰の圧倒するような偉容にしびれながらの締めくくりとなる。 山の輪郭線がシンプルで、天を指すように突き出ている山容が素晴らしい。 赤みがかった地肌と灌木の緑のコントラストが美しい。 少し天候が陰ってきて色合いが今一つであったが、中岳を下りながら、高千穂河原の道を歩みながら、何度もなんども見上げては感激に浸ったのであった。

 えびの高原から休憩も入れてトータル6時間半の縦走が終わり、高千穂河原に無事到着した。 中岳から高千穂河原に下る途中のミヤマキリシマ群生地では、ほとんどが盛りを過ぎていて残念であったが、標高の高低で盛りの時期がずれるのは仕方のないことで、総じて、大満足の縦走であった。
 
 えびの高原にもどり、露天風呂で汗を流し、一路広島へ。 行動を共にした愉快な人たち、気持ちよくツアーを盛り上げてくれた添乗員の小川さん、そして霧島を知り尽くし、所々で解説を加えながら導いてくれたガイドさん、本当にありがとうございました。



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