上高地散策

HOME
 今年の夏は、好天気ながら超暑い毎日が続いたので、遠征登山に出掛けるのを躊躇していた。この度、家族サービスに追われたお盆が過ぎ、天候も落ち着きそうだったので、重い腰を上げて、重い荷を背負って、広島を出陣した。
 予定は、初日に小梨平テント泊、二日目にババ平まで行ってテント泊、三日目にテントをそのままにして槍ヶ岳往復後テント泊、四日目帰路へ、ということであった。槍ヶ岳へは、槍沢、東鎌、南岳コースの内、朝気が向いた方向に行こうというつもりであった。

 天候にも恵まれ、一年ぶりの上高地を楽しみながら、二日目横尾まで進んだのだが、横尾の手前から左足のかかとが踏むたびに痛み出した。今日の行程はゆっくりしているので、横尾でベンチに座りゆっくり休憩を取り、再び歩き出すと、痛みが相当ひどいものになっていた。あきらめきれず、それでもしばらく歩を進めたが、9月半ばに仲間と東鎌を槍まで行くことになっているのが頭をよぎったり、ひどいことになったら、今後の山人生にも影響しかねないという思いが強くなった。それより、なによりも、痛くてまともには歩けない状態であった。
 そこで、残念ではあったが、ここから引き返すことにした。横尾でテントを張ろうかとも思ったが、テントを張るなら徳沢でしょう、と言う思いで、足をかばいかばい何とか徳沢まで戻り、テン泊した。

 三日目も良いお天気で、痛む足をかばいかばいの歩みながら、気持ちの良い梓川沿いの散策を楽しんだ。というわけで、大した山行記にはならないのだが、写真だけは一生懸命に撮ったので、その一部を紹介させていただきたいと言う思いで、ここに記することにする。 

2018年8月18日 上高地・小梨平(泊)

 広島から、新幹線、在来線と乗り継ぎ、高山からのバスで上高地入りしたのが、15:30。 観光客で賑わう河童橋周辺を一年ぶりに楽しんだ後、早速、小梨平キャンプ場へ。受付を済まして、穂高岳が良く見えるスポットを選び、テントを張る。
 このキャンプ場は、バス停からも近いので、登山には関係ない人もテントを張る人が多く、オートキャンプ場で見られる巨大なテントも数多く張られている。私のとなりにもそのようなテントが張っていたので、椅子に座られている老夫婦に話しかけると、なんと、7月末から逗留していて、約1か月この場のテント泊を楽しむということであった。至れり尽くせりのキャンプ場には、売店、食堂、風呂、複数の炊事棟と水洗トイレがあり、言うことなし。


写真クリックで、その写真が拡大され順送りができます。 本ページに戻るには、右上Xボタンか写真の外をクリックして下さい。

 テントを張った後、まだ時間があるので、散策に出かけた。河童橋を渡り、久しぶりにウエストンさんに。ウエストンさんのレリーフにあいさつした後、上高地アルペンホテルのロビーで六百山を見上げながら、コーヒーとジュースでゆっくり休憩した。ここは、300円で飲み放題。上高地で安く休憩するにはここが一番。雰囲気もよし。

 夕方、雲が切れて、穂高連峰が顔を出した。雲が時々現れるので、夕日に映えてなかなか味のある風景を見ることができた。

 初日の夕食は、ひと風呂浴びた後、客でにぎわう食堂で。とんかつ定食と生ビール。とんかつは、外側サクサク、味のある豚肉。うまい。 登山組ではないファミリーや仲間内の会話が遅くまで続いていた(ようだ)が、構わず熟睡。

2018年8月19日 小梨平-横尾-徳沢(泊)

 爽やかな朝を迎えた。昨晩は、この時期には珍しく冷え込み、夜中に寒さに震えて目が覚めた。ダウンのジャケットを着こみ、シュラフを防寒シートで包むと快適になり、5時まで熟睡した。穂高連峰がくっきり姿を見せて、てっぺん辺りが日を受けて輝いて見えた。

 テント内に胡坐をかいて湯を沸かし、リンゴジャムのパンにコーンスープ、紅茶の朝食を取り、機嫌よくババ平に向けて出発した。樹林帯では木漏れ日を浴び、渓流沿いでは清い流れを覗き込み、刻々と姿を変える明神岳を見上げ、気分よく歩を進める。明神を過ぎると、明神岳峰々の全貌が良く見えるようになる。さらに、徳沢に近づくにつれて明神岳の長い山並みの向こうに、前穂高東壁が姿を現し、山並みが風格を増して見えるようになる。徳沢では、急ぐ旅ではないので、前にテントを張ったあたりで山を見上げながらゆっくり休憩を取る。
 横尾に近づくにつれ、前穂東壁の姿が迫って見えてくる。それはいいのだが、左足のかかとが踏みしめるたびに痛むようになった。結構痛むので、左足をかばうようにして、何とか横尾にたどり着いた。横尾では大勢の登山者が休息をとっており、華やいだ雰囲気が漂っていた。私はと言えば、長い休憩を取りながらも、足の不安で浮かない気分であった。
 横尾から、ババ平に向けて歩き始めたが、痛みはさらに増している。このまま歩き続ければ、悪化するのは目に見えている。ここで潔く撤退する決断をした。どうしても行かなければならないということでもないし、足を台無しにすることは避けなければならない。上高地周辺の雰囲気を楽しめただけでも良かったと思わなければならないだろう。


 横尾でテントを張って泊まり、足を休めることを第一に考えたが、テント泊をするのなら、どうしても徳沢まで戻りたい。その一心で、左足をかばいかばい、超スロー歩行で徳沢まで戻った。山々が良く見える場所にテントを張り、持参した焼きそばを作って昼食とした。湯で戻した乾燥野菜とソーセージを加えたので、まずまずの出来栄えとなった。これに味噌汁と缶ビール。
 歩行禁止の身なので、午後は、テントの中でじっとしていたが、見上げる明神岳と前穂高岳の色がだんだん変化するのを楽しんだ。
 徳沢ロッジで風呂に入った後、アルファ米のごはんに、フリーズドライの具を2個分かけた牛とじ丼を主とした夕食を済ませ、夜空に輝く星を見上げたのち、早々と眠りについた。

2018年8月20日 徳沢-上高地-広島

 朝5時半に目を覚ましたが、期待した明神・前穂のモルゲンロートがほとんど見られなかった。いつもは真っ赤に染まるのに、残念である。  朝食後は、早々とテントをたたみ、河童橋へと向かった。足の痛みが和らいでいるように感じたが、小梨平に着くころには、かなりの痛みが戻ってきていた。急ぐ旅でもなし、去りがたい上高地でぐずぐずした後、バスに乗り込み、広島への帰路に就いた。


ウインドウズ デスクトップの壁紙(テーマ、Windows Desktop Theme) 用写真は こちらから ダウンロードできます。

山々の写真をアルバムにしています。 こちらをどうぞ

  山の道具のお買い物には 「山屋」 をよろしく。                      HOME