10月初め、山頂付近の紅葉、特に湿原の紅葉が期待できる、平ヶ岳、越後駒ケ岳を登頂した。 今回は、坂歩こう会でお世話になっている、赤帽さんこと帆足さんのお誘いで、光・周南ハイキングクラブの行事に参加させていただいた。 ベテランぞろいのメンバー5人、強烈個性の持ち主で日本の山々はもとより全国の地方や島々までを何度も訪ね歩き、知り尽くしている原田会長に私、合計7人のチームである。
原田会長の運転する光出発の自家用車に乗り合わせ、現地までを往復するという強行軍ながら、それだけに息の合ったチームとして、1日目の快晴の平ケ岳、2日目のほとんどが霧の中の越後駒ケ岳を楽しむことができた。
2015年10月3日 銀山平-玉子石-平が岳山頂-銀山平
宿泊の奥只見山荘のマイクロバスで、標高1250mの登山口まで行き、5:30 に登山を開始。 天気は快晴である。 ほんの少しの平らな導入部ののち、急登に次ぐ急登の厳しい山道となる。 道はかなり荒れていて、雨で土が流された後の岩や木の根が段差を激しくしていて、かなり歩きにくい。特に、下山時には最近降った激しい雨のせいか滑りやすさも加わり、大いに悩まされた。
とはいえ、登らないことには頂まで到達しないということで、文句も言わず黙々と登る。天気が良く気温も高めのせいか、たくさんの水を飲み、たくさんの汗をかき、高度を上げるにつれ色づきを増す山肌を眺め、ときどき樹林の切れ目から見渡せる遠くの山並みを愛で、なんとか草原にたどり着いたのが、7:55。 平ヶ岳の文字通り平らな山容が目に飛び込んでくる。激しい登りを終えたこともあり、なんとも心安らぐ光景である。
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草原に出たところの分岐から目と鼻の先ぐらいにある玉子岩に立ち寄る。確かに長年この位置に鎮座しているのが不思議に思える岩の姿であり、また、その先の下方に広がる池塘の草紅葉がきれいである。
ここからは気持ちの良い木道歩きが始まる。草紅葉がちょうど良いぐらいに色づいていて、快晴のお日様の光を受けて輝いている。まっ平らに近い平ヶ岳の山容も安心感を与える。
やや高度を下げ、再び山頂への登りにとりつく。傾斜は緩やかではあるが、先ほどの厳しい登りで疲れているせいか、ややあえぎながら登る。しかし、登るにつれ会津方面の山々が広がって眺望されるようになり、なんとも気持ちの良い登りとなった。彼方に富士山も姿を見せている。やがて山頂(どこが山頂かな? とにかく三角点のあるところ)にたどり着いたが、ほかの山のように頂を極めたという感覚が少ない。もうずっと手前から、少しずつ山頂にたどり着いた感覚を味わいながら登っていたせいかもしれない。標高2,139mの頂上到着が9:05。
山頂からは、目の前に広がる山々が眺められ、なんとも言えない幸せ感がわいてくる。燧岳が大きく鎮座していて、至仏山が対峙している。日光白根山、男体山、会津駒ケ岳などなど。はるかに富士山。そして逆側には、明日登る越後駒ケ岳に八海山などなど。
山頂では、三角点からやや高度のありそうなところまで足を延ばし、さらに木道の終点まで行き眺望を楽しんだ後、山頂の木のテラスに座り込んで昼食らしきものをとる。
山頂からの展望をデジカメ動画で紹介します。
こちらです。
10:10、約1時間の素晴らしい時を過ごしたのち、頂上を後にし、一路出発した駐車場を目指して下り始める。下りながらも、眼下に広がる草原や、遠くの山並みを眺めるのが楽しく、傾斜も緩やかで、なんとも楽しい。真っ赤に色づいたナナカマド越しに見る山々や、お日様に映える草紅葉が素晴らしい。
玉子岩への分岐から、いよいよ急こう配のくだりにかかる。今までの平和な雰囲気ががらりと変わり、下りにくい段差を交え、手入れが全くと言っていいほどされていない悪路が続く。マイクロバスの駐車場発の時間、12:30に間に合うように下ろうと、ただひたすら下る、下る。
しかし、時々垣間見える山並みや近くの色づいた山肌が疲れをいやしてくれるのが救いである。
何とか下りきって、渓流で汗まみれの顔や泥だらけの靴を洗い、12:30ジャストに駐車場に到着。直ちにバスで銀山平にご帰還である。
2015年10月4日 枝折峠-越後駒ケ岳-枝折峠
6時20分の枝折峠(1065m)は、濃い霧の中。広い駐車場には埋め尽くさんばかりの車が駐車していた。ここは、雲海を眺める名所ということで、それを目当てに訪れている人たちもいるようだ。
天気予報では、昼からは晴れるということなので、それに期待して、6:45登山開始。
とにかく長丁場のピストンで、ヤマケイのコースタイムでは、小倉山まで3時間20分、さらに山頂まで2時間55分、トータル6時間15分とある。下りの4時間50分を足すと、約11時間の行程である。しかも出発が7時前であるから、峠に帰着するころは暗くなる可能性もある。
登山開始から、リーダーの原田会長がハイペースでみんなを引っ張る。とにかく早い。ちなみに会長は御年78歳である(内緒かな?)。見えるものといえば、登山路近くの花や木ぐらいで、近くの山肌もめったに顔を出さない。傾斜は緩やかで平たん部も多いが、明神峠、道行山などの小ピークもあり、それほど楽ではない登りをただひたすらこなし、小倉山(1378m)には、コースタイムを1時間以上縮めて9時ごろ到着した。
小倉山からは徐々に傾斜がきつくなり、切れ目のない急登が続く。百草の池、前駒を過ぎ、駒の小屋に近づくと濡れて登りづらい岩場も現れ、やっとのことで駒の小屋に到着。ところが、会長の指示で休憩なしでそのまま頂上へ。それでも、まだ余力があるのか、ペースアップして雲の中の頂上(2003m)へ。到着が、11時40分、枝折峠から、休憩も含めて5時間を切るハイペースであった。もっとも、寒い頂上で長時間一緒に晴れ間を待った30歳の若者は、3時間20分で登ってきたという。
頂上はおそらく気温数度という寒さで、周りは雲だか霧だかで全く見えない。しかし、リーダーの会長は、頂上に到着するや、ここで13時10分まで留まることを宣言した。まだ1時間以上もあるのになんと無茶な、と、びっくり。まさかと思いながらも、シャツやフリースをカッパの下に着重ねし、手袋にネックウオーマーを着け万全を期す。会長は、天気予報や、風向き、雲の動きから判断して、13時ごろには晴れ間が出ると読んでいるらしい。とにかく、座り込んで昼食をとり、記念写真を撮ったりしながらひたすら晴れ間を待つ。ちなみに私が手に持って写っている小看板は、会長手作りのもので、頂上まで担いで持ってきてくれたものである(感謝)。
まさかの1時間がたったころ、周りが明るくなり、うすぼんやり太陽も見え始めたと思うと、一瞬周りの雲が切れ、さーっと、近くの小さなピークが顔を出した。山肌はきれいに色づいた木々に覆われている。感動ものである。会長の予測が的中したのだ。その後も数回にわたり、短い時間ではあるが周りが見渡せ、この天気の中、大きな収穫を得ることができた。
これ以上待つのは、帰りの時間も考えると難しいということで、12時55分、頂上を後にする。頂上からの気の許せない岩場を含む急な下りをこなし、引き続き延々と続くアップダウンをこなすころになると、だんだん雲が切れ、周りの山なみや、奥只見湖周辺の里が見渡せるようになった。しかし、頂上を振り返るとまだ雲の中である。長い行程を経て、枝折峠の駐車場についたのは日暮前の17時20分であった。
峠からは、身支度を整えるや否や、会長の運転で帰路に向かった。その後、高速のサービスエリアで夕食をとり、何度か休憩を取って広島まで送っていただいた。その間、運転を一人で受け持っていただいた運転者(スーパーマンこと会長)の仮眠はわずか30分程度の一回のみであった。
このたび、仲間に入れていただいた、光・周南ハイキングクラブの皆さん、大変お世話になりました。ありがとうございました。わたくしにとって、大きな貴重な経験をさせてもらい、忘れがたい山旅となりました。
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