今年の夏山遠征は、ひろでん中国新聞旅行のツアーに参加して、南アルプスの南部、荒川三山(悪沢岳・東岳、中岳、前岳)と赤石岳を縦走した。 私としては、南アルプス南部の山行は初めてである。 椹島ロッジを起点に、千枚小屋(泊)-荒川三山-荒川小屋(泊)-赤石岳-赤石小屋(泊)-椹島ロッジ-広島 という行程で、比較的時間的には余裕のある山行であったが、かなり厳しい登り降りの連続に、メンバーについていくのがいっぱい一杯の毎日であった。
しかし、連日すばらしい天候に恵まれ、ピークピークでは360度の展望を楽しむことができた。
メンバーは、女子5名、男子11名にガイドさん、添乗員さんの計18名。猛者ぞろいのメンバーが、ときには黙々と、時には楽しく語り合いながら、順調にこのコースをのり切ることができた。
2015年8月4日 椹島ロッジ-千枚小屋(泊)
前日広島からロッジ入りし鋭気を養い迎えた登山初日、幸い天気はド晴れである。標高差約1500mの樹林帯の中を、ただひたすら、登って登る一日であった。樹林帯の中は、それほど蒸す状態ではなかったが、それでも汗がほとばしる。 出発(6:30)、小石下(9:00)、清水平(10:30)と順調に高度を稼ぎ、清水平上部の平らな所で昼食をとる。
今日のガイドさんは、40歳ぐらいの福沢さんで、南アルプスを拠点とする、NHK百名山に登場するほどの名ガイドさん。ちょうどよく歩みを合わせられるステップで皆をリードする。処どころで、山山や花の解説が入り、楽しい。蕨平(11:50)、見晴台(12:00)、コマドリの池(13:35)とひたすら登り、池を鑑賞しているうちに雨がぽつぽつと落ち始めた。かすかに雷も唸り始めたかと思うと、大粒の雨が容赦なく降り注ぎ始めた。全員カッパを付けたり、傘をさして、濡れ濡れになりながら、千枚小屋に到着(14:20)。
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やがて雨もやみ、再び青空に。千枚小屋は、花々に囲まれた、山のオアシスという感じのする小屋で、正面の富士山の展望も見事である。
2015年8月5日 千枚小屋-千枚岳-丸山-悪沢(東)岳-中岳-前岳-荒川小屋(泊)
快晴の朝を迎え、小屋前からの富士山・周りの山々の朝焼けを楽しむ。素晴らしい。
6時、千枚小屋を出発。高度を上げるにしたがって、だんだん樹木の高さが低くなり、周りの山山の背に近づいてくるのが実感される。約1時間で千枚岳に到着すると、悪沢岳がぐっと近くにそびえている。先ほどから見えていた富士山はもとより、逆方向には、近くに塩見岳、遠くに間の岳などなど。
千枚岳からは、最初やや高度を下げ、ちょっとした岩場の下降を済ませると、あとは樹木の全くない見晴らしの良い路を丸山まで登る。かといって、快適さばかりではない。丸山といえども3000m峰。登りのつらさを十分味わって、8:20到着。荒川三山がまじかに迫り、ますます見晴らしがよくなる。小赤石岳・赤石岳・聖岳がせまり、相対する逆側には、大きな塩見岳、その向こうに間の岳、その右肩に覗くは北岳か?、そして木曽駒・千丈。相変わらず雲間に浮かぶ富士山も見事である。
丸山からいよいよ荒沢岳に向かう。登山路も高山らしい岩岩したものになり、ゴロゴロした岩で形成されているような山頂に立つ(9:05)。中央アルプスの山並みも台地のように長い稜線を見せていて、以前木曽駒ケ岳から空木岳に縦走した折に、逆に南アルプスを眺めた時のことを思い出させる。もちろん、南アルプスの山々、富士山の展望も素晴らしい。
荒沢岳からの下りは結構急峻である。ざれた約200mの下降路を慎重に下る。そして、登り返して中岳へ。今日の2度目の登りも辛くはあったが、最高の景観に助けられて、順調にこなす。360度の眺望を楽しんだ後、赤石小屋への分岐まで降り、ザックをデポして三山最後の前岳へ。身軽な身と、本日の登りを全てこなした達成感とで、浮き立つメンバー。山旅の楽しいひと時である。
本日の宿、荒川小屋への下りは、急でざれた路ではあったが、途中両側にお花畑が広がり、楽しい下りになった。13:20、ダケカンバとミヤママツムシソウに囲まれた荒川小屋に到着。この小屋には、豊富な水場があり、太い管から途切れることなく水が吹き出ている。ここでわがメンバーの男性陣の多くが、全身を水浴びしてサッパリ。
夕方には、恒例の夕立もあり、かすかに姿を見せた富士山を眺めた以外は、小屋の中でゆっくり体を休め、明日のハードであろう登りに備えた。
<続編:その2> 山行記: 「赤石小屋-赤石岳-椹島ロッジ」についてはこちらを御覧ください。
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